例えば

例えば君がこの世の王様だとして


君は一生働かなくても暮らしていけるだろう


君の前にはいつも十分すぎるほど


ものが用意されている


誰もが羨む豪邸も


一流シェフが作る食事も


美人で控えめな奥さんも


なんの努力しなくても手に入る


君は生まれてから


人より偉いというだけで


そのありがたさに気づかないまま生きてきたが


ある日


自分のペットよりもはるかに


貧相な格好をしていて


道を裸足で歩いている子どもが


楽しそうに笑っているのを目の当たりにして


君は幸せの意味にやっと気づくのだろう