だよね

あの子のこと嫌いなの


誰かの同意が欲しくて


大して仲良くないあなたに喋りかけた


だけど猛烈に批判されてびっくりした


私の方が断然


スクールカーストでは上なのに


後のことを考えても


どうしてそんな態度が取れるのか不思議だった


私が嫌いなあの子は


いつのまにかクラスからいなくなった


もっと受験に強い都会の学校に行ったとか


親の転勤で海外に行ったとか


出て行ってからもあの子はみんなの憧れで


本当は誰のことも好きじゃなかったっていう


彼女の本音だけ残して


退屈な授業は続いていった


窓際の席に座りながら


校庭を覗き込んで


先生が忘れ物でもしたのか


生徒たちがダラダラとしながら


時間を持て余してる中で


凛とただずんでいるあなたを見つけた


私はあなたのだよね、が聞きたくって


話しかけた自分が恥ずかしくかった


あなたが言ったことを覚えている


あの子に嫉妬してるあなたは


自分の弱さに気づくべきよと


それから私はあの子みたいにできなくても


一生懸命毎日を過ごした


ちょっとずつ上がっていった成績と


なんの夢もなかった将来に


素敵な目標ができた


そうして次の次の春が来たとき


前を歩いているあなたを偶然見つけて


私はあなたに少しだけ近づけた気がした