私が嫌いだったあの人

私が嫌いだったあの人


その人の基準には


はっきりと


美醜のカーストが刻まれていて


俺発信の意見には


俺の邪魔な奴は消えろという


シグナルが含まれている   


いくらお弁に論理的な語り口で喋ろうと


中身は大したことないスカスカ野郎だ


だって言いたいことは


お前は消えろっていう


ただの感情論だから


好きなものに囲まれて暮らしたら良い


社会適合者だと言わんばかりに生きて


絵に描いたかのような人生を送って


弱いものには同情めいた言葉をかけて


自信を持って生きていけば良い


嫌いになったら吐き捨てて潰すくらい


そんな人いっぱいいるもんな


だけどあの人と離れられた時


まだ胸に張り付くムカムカはあるけれど


とても健やかな気持ちになった


相手が憎いだとかそんなことに気を使うより


人の優しさに触れられる人生は


なんて温かいのだろう


過去のことは過去のことだ


自分にも相手にも


それぞれに必要とされる場所がある


そこでのびのび暮らせば良いだけの話だ


だからこれから私は自由に気兼ねなく生きる