道端で

道端で誰かが倒れていたとしよう

 

あなたはギョッとして

 

一瞬にして冷や汗をかく

 

そして考えるまでなく

 

大丈夫ですかと恐る恐る声をかける

 

その人は薄く目を開く

 

生気のない顔を見ると

 

恐怖で体は縮こまったが

 

鞄からあたふたと携帯を取り出し

 

生まれて初めて救急車を呼ぶ

 

電話口の落ち着いた声に安心して

 

借りてきたDVDのことも忘れて

 

救急車をまだかまだかと待っていると

 

さっきまで青白い顔をしていたその人が

 

なんの躊躇もなくすっと立ち上がり

 

驚いて小さな悲鳴をあげていると

 

満面の笑みで

 

ありがとうと言って

 

指を鳴らした

 

それから

 

病院のベットで私は目を覚ましたんだ