君が世界で世界が君なら

永遠に一緒にいると誓い合った二人


パートナーシップを結び


やがて生まれた子どもにもカチッと鎖を繋ぐ 


だけどふと気付いた時には


その鎖は外れてて


変わらず旦那だけは横にいる


そして旦那は


君が世界で


世界が君なら


僕は生きてる意味がないんだと


随分とうなだれている


私はあなたを牛耳っている訳じゃないの


家庭という国家を破綻させないように必死なのよと


旦那が何か抵抗するわけでもないのに


鎖をまた二、三重に巻きつける


私は旦那が作った世界では


ワガママ放題の嬢王様なのかしら


怒り狂った鬼婆なのかしら


私はそもそも旦那みたいに


世界をひとりでに作ったりしないわ


世界は狭めるもんじゃなく


広がっていくものだから


だから


君が世界で〜みたいな過程からしておかしいのよ


とはいえ


旦那は死ぬまで私の世界から抜け出せない


だってこの鎖の鍵は私が持ってるから